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Amazon CloudFrontの料金は高い?料金目安や計算ツールをご紹介
「CloudFront」は、アマゾン ウェブ サービス(AWS)が提供するCDN(コンテンツデリバリーネットワーク)サービスで、コンテンツを高速で大量の配信を可能にするネットワークです。
CloudFrontで検索すると、「CloudFront 料金」「CloudFront 料金 高い」「CloudFront 料金 目安」のキーワード検索が出てきます。導入に際して、料金を気にするユーザーが多いことが伺えます
そこで、本記事では、わかりやすく料金体系をご紹介し、気になる料金が高いか否かについて解説していきます。
Amazon CloudFrontの料金は高い?
CloudFrontを利用する上で、最も気になるのは利用料金かと思います。実際に料金が高いか否か調査、検証してみたいと思います。
☑︎|料金体系は従量課金・使い方による
☑︎|無料利用枠や割引がある
料金体系は従量課金・使い方による
まず、CloudFrontの料金体系ですが、従量課金モデルになります。
多くのCDNは同様に従量課金モデルで提供しており、利用した分だけ請求が生じます。
従量課金ですので、利用の仕方によって安価に利用できたり、利用量によっては高額にもなりえる料金モデルです。
無料利用枠や割引がある
CloudFrontには、お得に利用できる無料の利用枠や割引(ボリュームディスカウント)があります。
また、CloudFrontには割引のシステムもあり、最大30%オフになると公表されています。
2021年2月に公開された「Amazon CloudFront Security Savings Bundle」では、12か月間以上、1か月あたり最小10TBのデータ転送量を確約すると、CloudFrontの利用料金が最大30%割引されると公表しています。出所:AWS 無料利用枠
【CDN】Amazon CloudFrontの料金体系
それでは、「CloudFront」の料金体系はどのような内容なのでしょうか。
こちらでは、以下の内容に分けて、料金についてお伝えしていきます。
☑︎|従量課金制
☑︎|無料利用枠とボリュームディスカウント
☑︎|AWS 料金計算ツールで目安が分かる
従量課金制
CloudFrontは、配信するデータ量に対して課金される従量課金制を採用しています。基本料金や長期契約などはなく、サービスを使用した分だけの金額を支払い、解約の際に発生する解約料金はかかりません。
料金は主に以下4つの項目と配信する地域によって金額が決定します。
■|データ転送料金:CloudFrontが配信するデータ量に対して課金
■|リクエスト料金:CloudFrontが処理するリクエスト数に対して課金
■|Lambda@Edge料金:Lambda@Edge関数を利用する場合、Lambda関数の実行時間、メモリ使用量、リクエスト数に対して課金。
■|キャッシュ料金:CloudFrontがキャッシュするデータのストレージに対して課金
地域やプラン、使用量によって金額が異なりますので、詳細な金額を把握されたい場合は以下の記事を参考にしてください。
≫≫【AWSのCDNサービス】Amazon CloudFrontの料金からメリットまで徹底解説!
無料利用枠とボリュームディスカウント
CloudFrontでは、常時無料利用枠が用意されています。以下の項目内であれば常時無料となります。
■|1 か月あたり 1 TB のデータ転送
■|1 か月あたり 10,000,000 件の HTTP または HTTPS リクエスト
■|1 か月あたり 200 万件の CloudFront 関数呼び出し
■|無料の SSL 証明書
参照:Amazon CloudFront公式ページ「Amazon CloudFront の料金」
また、CloudFrontでは、ボリュームディスカウントがあり、月間のデータ転送量が増加するにつれて、ボリュームディスカウントが適用されます。
月間のデータ転送量が増えるほど、単位あたりの料金が割引されます。
さらに、12 か月間以上、1 か月あたり最小 10 TB のデータ転送量を使用することが決まっている場合、カスタム割引料金も用意されています。
AWS 料金計算ツールで目安が分かる
CloudFrontは、AWSの料金計算ツール「AWS Pricing Calculator」で、見積を出すことができます。データ転送量とリクエスト数の算出をすることができ、リージョンを選択し、算出できます。以下で簡単な見積の手順を記載します。
1. 「AWS Pricing Calculator」にアクセスし、「CloudFront」を選択。
2. 表示された画面でリージョンを選択
3. インターネットへのデータ転送 (送信)、オリジンへのデータ転送 (送信)、リクエストの数 (HTTPS)をそれぞれ入力
3の画面の右下の「概要を保存して表示」ボタンをクリックすると、前払いコストと月あたりのコストが表示されます。
▲数字部分の表示イメージは「XXXX」と表記しています。
このように4ステップで簡単にも概算を取得できるため、導入前の利用もおすすめです。
Amazon CloudFrontの料金のポイント
ここからはCloudfrontを利用する上での料金やその他のポイントについて解説します。ご紹介する3つのポイントを活用すると、さらにお得にCloudFrontを利用できますのでぜひご覧ください。
無料枠や割引を上手に利用する
1つ目のポイントは、無料で始めることができる点です。
先述した通り、AWSの顧客としてサインアップすると、毎月1TB(1000GB)のデータ送信量と10,00万HTTP/HTTPSリクエストの無償提供を受けられます。それ以上の利用があった場合でも、この許容量を超える利用分のみが請求されますので、まずは無料で試すことができます。
また、利用量が多い場合にはAWSの割引制度を利用し、データ転送量を1ヵ月あたり10TBで確約すると、割引が適用されます。無料枠や割引を上手く利用すると無駄なコストを生むことなく利用できます。
Amazon CloudFrontとS3の組み合わせで使う
2つ目のポイントは、CloudFrontを利用する際にオリジンサーバーをAWSのS3を使うことがある点です。
CloudFrontを利用する場合、S3、EC2、ELBなどのAWSサービスからのデータ転送量(アウト)の費用はかかりません。CloudFrontからユーザーへのデータ転送とそれに関連するコストのみの支払いになります。
一般的に地域サービスからデータ転送を支払うよりもコスト効率が高いと言われています。
≫≫ Amazon CloudFrontとは?機能や連携ができるAWSサービスをご紹介
請求代行サービスを利用する
3つ目のポイントはさらにお得になる請求代行サービスの利用がある点です。
AWSは直接契約を結ぶと利用料金を100%支払うことになりますが、請求代行サービスを利用すると数%割引になります。請求代行サービスは、AWSの公式パートナーであるAWSパートナーを利用し、AWSの利用料でお支払いする場合に割引の対象になります。CloudFrontもAWSと同様に請求代行を利用でき、さらにお得に利用ができます。
請求代行サービスを提供する企業はいくつかありますが、AWSパートナーにより割引のない場合や割引率が異なるため、複数社から比較検討し、契約することがオススメです。
まとめ
今回はCloudFrontについて、料金面を中心に調査、検証しました。
多くのCDNサービスと同様に、CloudFrontは従量課金制ですので利用量によっては高額になる場合がありますが、CloudFrontは、独自の無料利用枠や割引制度があります。これらを活用すると、他社のCDNより安価に押さえられるケースがあります。
本記事でご紹介した料金のポイントの3つを活用し、お得な割引をご活用ください。まずは、CloudFrontの使い勝手を検証したいという場合には、無料枠出のトライアルを試してみましょう。